Chapterhouse/Rownderbowt
何年もかけてムッチャクチャ探して手に入らなかったのに確かあっさりHMVかなんかで買ったアルバム。
「Die,Die,Die」がどうしても聴きたかったのと、ジャケットが好きで。
既出シングル曲やアウトテイク、デモバージョン、リミックスなんかが集まった2枚組。
爽やかで間奏がカッコイイ「Frost」、The Stone Rosesみたいな「Losing Touch With My Mind」、珍しくヘビーなサイケ「Ecstasy II」、ストイックな「Until You Try」、田島貴男並みにひねくれたコード進行の「Brighter」、中期The Charlatansみたいな「Feel」などなど、いろんな表情の曲が聴ける。
「For What It's Worth」「Dream On」なんかもオリジナルアルバムに入っててもおかしくない。
どうしても聴きたかった「Die,Die,Die」はゴシックでサイケな、Bauhausのようにエネルギッシュな曲。
でも期待し過ぎてた(待ち過ぎてた)からなのか、正直うーんという感じです。
突出してるのが「More Than I Can Take」
Chapterhouseの中でも屈指の名曲じゃないでしょうか。
Chapterhouse/Mesmerise
EPなんだけど、アルバムに匹敵するクオリティなのでご紹介。
1st「Whirlpool」と2nd「Blood Music」の間に出た4曲入りで、印象的なピアノから始まる「Mesmerise」、チャカポコしたパーカッションが楽しい「Precious One」、遠くで聴こえるパーカッションと共に穏やかにチルしていく「Summer Chill」、唯一の生ドラムでLUSHのように幻想的な「Then We'll Rise」と、どの曲もほんとに素晴らしい出来。
アルバムに入った曲は1曲もなく、RIDEでいう「Today Forever」(鮫ライド)のような、独立した凛々しさのある立ち位置。
とりあえず聴くなら1曲目のコチラを↓
Caustic Window/Compilation
とても美しいアルバム。
性急なBPMの曲が多いのに、音の詰め込み方、音色のバランス等が絶妙なのか、何故か聴いてるとリラックスする。
ここはこうくるだろうなという期待をことごとく裏切る曲構成が、逆に安心感を生む。
初期のRichard. D. Jamesのいいところが詰まった、この世にいてくれてありがとう的な名作。
CASCADE/ピアザ
「Dance Capriccio」が好きなので、他の曲も聴いてみようとiTunesに入れたアルバムだと思います(「Dance Capriccio」は入ってませんが)
ただ全体的に音が良くないので、あまり聴いてませんでした。
改めて聴いてみると、すごくイギリスの音楽が好きなんだなーと。
「Kill Me Stop」「チェルシー」なんかは思いっきりイギリスだし、「湖の上50メートル」なんてRIDEみたいですし(あ、それ以前に1曲目のタイトルが「FLOWERS OF ROMANCE」だということに今気付きました)
ボーカルの人は最初ふざけてるのかと思いましたが、すごく実力あるんですね。
ギターもとてもセンスがあり、「S.O.S ロマンティック」のサビの合いの手のようなフレーズ、「YELLOW YELLOW FIRE」のBメロ、「アナログ少年」のBメロのフレーズ等キラリと光るものがあります。
メロディや構成も素晴らしいものが多く、「S.O.S ロマンティック」のソロの展開、「ハレルヤ!アイノメガミ」のサビメロとその終わり方も素晴らしい。
「スーパーカー」はもう手放しで大好きな曲です。
The Carpenters/22 Hits Of The Carpenters
これまた名曲ばかりのアルバムですね(ベスト盤ですしね)
作家陣にRoger Nicholsがいたのは初めて知りました。
「I Need To Be In Love」「We've Only Just Begun」「Rainy Days and Mondays」「(They Long to Be) Close to You」「Yesterday Once More」が特に好きです。
ほとんど粒みたいな音だけどちゃんと聴こえるドラムの処理が素晴らしいなーと思います。
Carole King/Tapestry
名盤ですよねー。
確か高橋幸宏のラジオで「You've Got a Friend」を初めて聴いてすぐLPを買いました。
「TOKYO-POP」という映画で「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」をダイヤモンド・ユカイが歌ってたりしてましたね。
笑っちゃうぐらい名曲ばかりのアルバムで、「So Far Away」「It's Too Late」「Home Again」「Way Over Yonder」「You've Got a Friend」「Will You Love Me Tomorrow?」がいまだに変わらず大好きです。
演奏も実に素晴らしく、淡々としていながら起伏があり、過不足なくボーカルを彩っています。
こういうアルバムを聴くと、アメリカっていいなと思います。
The Cardigans/Life
スウェディッシュポップのみならず、ポップス史に残る名盤。
どこを切っても輝きしかない。
「Emmerdale」が冬の名盤だとしたら、こちらは初夏の名盤。
日本へのツアーも行きましたが、このアルバムで聴ける超絶技巧を完璧に再現するのはただの前提で、その上であからさまに楽しんでる様子が眩しかったです。
「Travelling With Charley」のような変拍子の曲をニッコニコしながら演奏してるんですもん。
有能なプロデューサーとバンドメンバー全員のミュージシャンシップが高度に(しかもさらりと)融合した、結晶のようなアルバム。
The Cardigans/Gran Turismo
相変わらずメロディ、ボーカルは素晴らしいものの、既に「The Cardigansでしか聴けない音」ではなくなってしまった。
このアルバムを聴く時間があったら、Radioheadかblurを聴きますね。
ループを使うのはいいんですが、Tore Johanssonのクリアな音処理が逆に仇になってる気がします。
The Cardigans/First Band On The Moon
このアルバムがデビュー盤だったらそれなりに気に入ったかもしれないけど、前作「Life」までの瑞々しい音に慣れてしまってただけに、「First Band On The Moon」の錆びた金属のような音には戸惑いました。
コード進行やメロディ、ボーカル、アレンジのセンス等の素晴らしさは相変わらずなだけに、音の質感だけが気になってしまって、あまり好きなアルバムではないです。
The Cardigans/Emmerdale
このアルバムを初めて聴いた時は心底びっくりしました。
聴いたことない、でも何故今までなかったんだろうという音像が、さも当たり前の顔をして普通に並んでいるのは尋常じゃないと。
Tore Johanssonの作る音像は特別なものだったし、今でも比類がない。
音像が面白いからといっていい音楽になるとは限らないけど、The Cardigansの場合は素晴らしいメロディ、素晴らしいボーカル、素晴らしい演奏と全て揃っており、かつ全く押しつけがましさがない。
ギター、ベース、ドラムどれをとってもセンス溢れるアレンジで、かなり高度な演奏なのにスッキリした佇まい。
今でも聴くたびにびっくりする、エポックメイキングでありながらスタンダードでもある、なにひとつ文句のつけようがないアルバムです。
capsule/FRUITS CLiPPER
僕が勝手にシンパシーを感じてる中田ヤスタカのユニット。
子供のようなボイスをふざけたメロディで鳴らす「FRUITS CLiPPER」、通常ギターで鳴らすようなフレーズを歪んだシンセで鳴らすイントロの「jelly」、呪術的なフレーズを繰り返す「CrazEEE Skyhopper」、Bメロ~サビにかけてボーカルがすごく歌いにくいであろうコードを刻む「super speeder Judy Jedy」
遊んで作ってるように見えて、全て「クラブで鳴らす」ための音作りであることがよくわかる。
ギターサンプルやボーカルすら音色の1つでしかないのはもちろん、中田を語るうえでよく言われる歪んだベースやフィルターの使い方も単なるサービスでしかなく、クラブで楽しく踊ってるうちに頭がおかしくなっていくような仕掛けがふんだんに盛り込まれてる。
ピッチの高いベースやキック、不協和音的に鳴らされるパーカッション、LRで違う音色のハイハットの配置、各曲に必ず配置された強力なフックとなるシンセフレーズ等もそれを物語る。
彼はミュージシャンというより、薬剤師や心理学者に近い仕事をしてると思う。
うん、なに言ってるかわかんない。
Cabaret Voltaire/The Voice Of America
電子音やノイズを鳴らすのが楽しくて仕方ないといった雰囲気満載なんだけど、ベーシックな音もしっかり同居しており、野性的とも言える音色選び、音の出し入れ、個々の音の組み合わせがとても不安定なのが面白いアルバム。
決して毎日聴きたくなるアルバムではないけど、クセになります。