Cornelius/CM2
「point」にはイマイチ馴染めなかったのですが、このアルバムは大正解。
リミックスという名のボーカル以外全部差し替えアルバムで、実は彼の才能はこういうところにこそ現れるんじゃないでしょうか。
極端に短い音と長過ぎるぐらい長い音が共存し、配置が整然としているにも関わらず強力な時空の歪みを感じさせる。
リミックスという名のもとに音素材を与えられたことにより、その素材と距離を置くような音選び、選んだ音の余韻、隙間を含めた配置等オリジナル制作よりはるかに自由度が増した、生き生きとした息遣いが感じられる傑作となったのかなと。
原曲を知ってる曲は「Tender」「Butterfly」等3~4曲しかないけど、どれも原曲の別解釈というより「あれ、こっちのほうが正解なのでは」と思わせてしまう完成度の高さ。
おかげでこのアルバムの唯一の難点は、原曲を知らない曲の原曲を聴いてみたいと思わせないところぐらい。