一方通行なアルバムレビュー

sens unique しゅうくによる、自分のiTunesの曲を上から順に聴いていき、一方的に感想を綴るブログ。

Cornelius/FM

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「CM」とは逆に、Corneliusの曲を他のミュージシャンがリミックスしたアルバム。

High Llamasがやった「The Micro Disneycal World Tour」と、The Pastelsがやった「Clash」がいいですね。
特にThe Pastelsのほうは、サビメロをかなり小さな音量で奥に配置してバックトラックの一部みたいに聴かせるところが面白いです。

 

Cornelius/THE FIRST QUESTION AWARD

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その昔「夏のサマー」という曲を作った直後、当時リリースされたばかりのCorneliusのデビューシングル「太陽は僕の敵」を初めて聴いてびっくりしました。

細かなフレーズは当然違うのですが、イントロの感じや歌メロやリズム等そっくりだったからです。
小山田のヤローパクったな!と思ったぐらいです。


そのぐらいFlipper's Guitar以降、無意識にネオアコっぽさというのが僕の中に刷り込まれてたからかと思うのですが、この1stアルバムはまさにそのぽさが全開で、1曲目だからこういう曲、中盤だからこういう曲、エンディングに向けてこういう曲…みたいな流れの完璧さも含め、余りのキレイな仕上がりになんとなくウソっぽさはあるものの、これだけ1曲1曲の圧倒的なクオリティを見せつけられると、もうこれを楽しんじゃうしかないなと思えるのです。
特に「SILENT SNOW STREAM」「PERFECT RAINBOW」「BAD MOON RISING」「THE BACK DOOR TO HEAVEN」は大好きで、すごくよく聴きました。
シングルっぽい曲だけを収録するという姿勢も、sens uniqueの2枚のアルバムに影響があるような気がします。

 

Cornelius/FANTASMA

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1人のミュージシャンが、持ってるポテンシャルを余すところなく表現したい!と思ってもなかなか出来ることではないような気もしますが、それをやっちゃったアルバム。

全開になることに臆病な人かなと思ってたのですが、全開なのにきちんと整理され、盛りだくさんなのに1曲1曲はコンパクトという、たまたまとは思えない完璧なバランス感覚。
時代からの愛され方も含めどの角度から見ても笑っちゃうぐらいドンピシャな、幸せなアルバム。


余談ですが一時期sens uniqueは、「New Music Machine」というバンド名で活動してました。

 

Cornelius/CM2

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「point」にはイマイチ馴染めなかったのですが、このアルバムは大正解。

リミックスという名のボーカル以外全部差し替えアルバムで、実は彼の才能はこういうところにこそ現れるんじゃないでしょうか。
極端に短い音と長過ぎるぐらい長い音が共存し、配置が整然としているにも関わらず強力な時空の歪みを感じさせる。
リミックスという名のもとに音素材を与えられたことにより、その素材と距離を置くような音選び、選んだ音の余韻、隙間を含めた配置等オリジナル制作よりはるかに自由度が増した、生き生きとした息遣いが感じられる傑作となったのかなと。


原曲を知ってる曲は「Tender」「Butterfly」等3~4曲しかないけど、どれも原曲の別解釈というより「あれ、こっちのほうが正解なのでは」と思わせてしまう完成度の高さ。
おかげでこのアルバムの唯一の難点は、原曲を知らない曲の原曲を聴いてみたいと思わせないところぐらい。

 

Comfort/High Windows

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レコード屋の試聴機で「おおっいいじゃん」と思って買って帰って聴いてみると「え、こんなんだったっけ」ってことは誰しも一度や二度はあるかと思いますが、これもその一枚。

The Korgisの曲をBECKの音で演ったら、という風に聴けないこともないですが、聴いてるとなんとなくしょんぼりしてしまう。
そこそこの曲、そこそこのアレンジ、そこそこの声で作る音の哀しさ。

 

 

Cocteau Twins/Treasure

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Cocteau Twinsで初めて聴いたアルバムだからというのもあってか、Cocteau Twinsの代表作はコレって感じがします。

「Pandora」はCocteau Twinsで一番好きな、これ以上ない美しい曲。
アルバムとしても初めて聴いた時の衝撃は大きく、何度も聴いたのにいまだに聴きたくなる安定感。
Cocteau Twinsの音楽に「安定」という言葉は似あわないかもしれませんし、実際不穏な曲も多いのですが、不穏ささえ地に足がついており、曲、アレンジ、音色、ボーカル、構成、どれをとってもエネルギーに欠けたところがない。
1曲1曲が天体のようで、それがたまたま直列に並んでるような印象。
音楽を好きでよかった、と心から言える一枚。

 

Cocteau Twins/The Pink Opaque

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初期の3枚のアルバムの曲やシングルから集められたコンピらしいですが、殆ど聴いてなかったので今聴いてます。

曲の根幹は変わらないのに後半ガラリと印象が変わる「The Spangle Maker」がお気に入り。
「Aikea-Guinea」もとても美しい曲なんだけど、すぐ次の超傑作アルバム「Treasure」から1曲だけ収録された「Lorelei」が流れてきた時、2軍に突然現れたバリバリの1軍プレイヤーみたいな感じがしたのが可笑しかった。

 

Cocteau Twins/Heaven Or Las Vegas

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名曲しかないアルバム。

前作「Blue Bell Knoll」の柔らかい音と表情豊かなメロディ路線を推し進めた、Cocteau Twinsの最高傑作だと思います。
Robin Guthrieのギターは益々縦横無尽に、時にシンセの音と見まがうかのようなヴェルベットのような艶やかさで曲を彩り、その才能をこれでもかと見せつける。
Elizabeth Fraserのボーカル、コーラスは渦潮のように入り組み絡み合っているのに違和感なく配置され、サビメロも2部構成になってる曲が多いうえ「I Wear Your Ring」などは元のメロディが素晴らしいのにエンディングにしか出てこないメロディが一番力強かったりと、メロディの多彩さ、豊潤さに目が眩むような快楽を覚えるが暑苦しさは皆無で、なにもかもが当然の顔をして横たわっている。
何度聴いても細胞が喜ぶ、地上の楽園と言ってもいい極上のアルバムです。

 

Cocteau Twins/Head Over Heels

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1stアルバムの「Garlands」は方向性の定まったアルバムでしたが、いろんな曲調をやってみたという感じの2ndアルバム。

そういった意味では意欲作ではあると思うのですが、残念ながら魅力的な曲が少ない。
ビジュアル系のように珍しく8ビートで突っ走る「In Our Angelhood」「Because Of Whirl-Jack」が面白いかなーと思う程度かなー。

 

Cocteau Twins/Garlands

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荒涼としたギターを中心とした「殺伐期」に当たる、Cocteau Twinsのデビューアルバム。

余りにも殺伐としており、もしこのアルバムが最初に聴いたアルバムだったら、その後も聴き続けてたかわからないなー。
Robin Guthrieのギターはデビュー時から既に完成されておりセンス抜群なんだけど、全体的に何度も聴きたいアルバムではないです。

 

Cocteau Twins/Blue Bell Knoll

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元々はなんかのCMで「Athol-Brose」が流れてたのを聴いてなんだこれは!となって探したらこのアルバムでした。

Cocteau Twinsはそれ以前から聴いてみたいと思ってたのでこのCMがいいきっかけになり、次々とアルバムを揃えすっかりハマってしまいました。


Cocteau Twinsの音楽をざっくり分けると、初期から「殺伐期」「荘厳期」「穏やか期」といった感じで移り変わっていったように思いますが、このアルバムは「穏やか期」に当たるかと。
僕はこの「穏やか期」のCocteau Twinsが一番好きです。
リズムマシンからそのまま出しただけといった打ち込みのドラムやシンセのシーケンスは初期とあまり変わらない印象なのですが、メロディが表情豊かになり、リバーブのかかったギターやベースともとても有機的に絡む。
曲の始まりからしてこんな曲なんだろうなという予想に反したキラーメロディ(って言葉あるかな)にとてもナチュラルに発展していく様がいつまでも記憶に残る造りとなった曲が増え、「The Itchy Glowbo Blow」「Cico Buff」「Suckling the Mender」などで聴ける。
最初から最後までキラーメロディの「Carolyn's Fingers」「For Phoebe Still a Baby」「A Kissed Out Red Floatboat」「Ella Megalast Burls Forever」といった曲も本当に素晴らしい。

 

Cluster & Eno/Cluster & Eno

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ClusterとBrian Enoが作ったアルバム。

以上!
で終わらせてもいいぐらい、「ClusterとEnoが一緒に作ったアルバム」としか言いようがないほど、両者の音楽が溶け合っている。
いろんなミュージシャンとコラボアルバムを出してるEnoだけど、Harold Buddとのコラボ、そしてこのClusterとのコラボが頭抜けて素晴らしい。
この世に産まれてありがとう系の音楽の1つ。

 

Cluster/Großes Wasser

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印象はとても静か。

でもなかなか気が狂った感のあるアルバム。
日常で聴くというより、なにかしら極端な状況に置かれた時に聴くとその極端さを倍加させそうな、危険なドラッグのような音の集まり。

 

Cluster/Cluster II

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一時期ジャーマンロックしか買わない時期がありましたねー。

これもその一枚。
ジャーマンロックに限らずいつもそうなんですが、雑誌とか本とかに載ってるアルバムを、評判とか無視してお店で見つけたら片っ端から買う癖がありまして、ジャーマンに限って言えば「ジャーマン・エレクトロ・リミックス」という本か「テクノボン」あたりからの情報だったと思います。
特にジャーマン系は見つけた時に買わないと二度と買えない可能性も大きかったので、「見つけたら買う」濃度が濃かったと思います。
「Cluster II」はその中でもそんなに多く聴いたほうではないですが、ただ単に「音なんです!」という佇まいは今もって心地よく聴けますし、聴き方を工夫すればちゃんとドラッギーな感じでも聴けると思います。
車とかで聴くとヤバイだろうなー。
オススメしません。